コラム

ヘンプ100%キナリ、天然のヘンプ色。

By 2024年2月22日3月 1st, 2024No Comments

キナリ色のヘンプ

数年前まで、注文すれば織ってもらえたヘンプ100%キナリ生地。

独特の黄味がかった生地だ。

ヘンプが大地の養分を吸いながら育っていく間、

風に吹かれて茎が曲がり、そこにテンションがかかる。

するとそのテンションがかかった部分の繊維が、茶色に近い色になる。

ヘンプの繊維は黄金色といわれる、美しい黄味がかった色だが

不定期に少しだけ、濃い茶色が混ざる。

その繊維をそのまま糸にして織り上げると

なんとも味わいのある黄味のムラが楽しめる生地になる。

それがヘンプ100%生地、キナリだ。

 

 

貴重なキナリヘンプ100%

天然のままの色が人気なキナリ生地。

ところが、いま、キナリ生地はとても貴重になっている。

いまヘンプ生地をつくる主流は、晒(さら)した糸を使う。

精錬させた真っ白な糸だ。

この糸を使うと、純白の生地が織り上がる。

晒す前の、キナリの糸も、あるにはある。

ところが、機械にかけるには〝糸質が悪い〟と評価される。

ヘンプは繊維が強固なため、糸にした際にも、ゴワつきやケバ立ちが残る。

糸が均一ではないのである。

これが頻繁に機械が止まってしまう要因となる。

だから機屋(はたや)さんは、キナリ糸の使用を敬遠する。

キナリ生地が生産できない。

あえてキナリ糸を使うと晒し糸より何倍も手間がかかる。

こうして、キナリヘンプは貴重な生地となっている。

 

なの

ヘンプの個性を楽しむキナリをいまこそ

あまりにも貴重となっているため

いま忠兵衛ではキナリ生地の生産を見合わせている。

在庫は残りわずかだ。

新たなルートがないか、意気揚々と捜索中だ。

新しい生地の紹介がきっと紹介できる日がくると、強く願っている。

天然のままの色、個性が強く、一筋縄ではいかない生地。

キナリヘンプで、ヘンプの存在をたっぷり感じてみてほしい。

 

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