夜に恋焦がれる花、『大待宵草』。
太陽が沈むとき、そのつぼみに、耳をすませてください。
パラパラと音がして、見る間に花が開いてゆきます。
待宵草。その中でも大きな花を咲かせる『大待宵草』。
一夜かぎりの、はかない花でありながら、生命力は高く、荒地に真っ先に進入する「パイオニア植物」です。
江戸時代末から明治時代初期に園芸種として渡ってきてから、瞬く間に全国に広がり、川縁や空き地では、必ずといっていいほど、根を張っています。
可憐で目を奪う美しい花と、したたかな存在感が魅力の植物です。
夢二が唄い、太宰が見染めた美しさ。
「待てど暮らせど来ぬ人を 宵待草のやるせなさ 今宵は月も出ぬそうな」
待宵草の名を一躍有名にしたのは、大正時代の愛唱歌『宵待草』。
竹久夢二(たけひさ ゆめじ)が作詞したこの歌は、1917年に発表されると、たちまち一世を風靡しました。
『宵待草』の詩では、房総半島で夢二自身が味わったひと夏の悲恋が、可憐な花によせて詠われています。
以来、宵待草には彼が好んで描いた、愁いを帯びた美人の面影が色濃く漂うことになりました。
太宰治も小説『富嶽百景』で、富士によく似合う花として、待宵草の姿を書き記しています。
アーティストたちの心を動かすその花から、ていねいに、ていねいに、アーティスティックな色をもらいました。
ノスタルジックな宵闇色。
「ヘンプ100%ショール」×「大待宵草」。
ただのグレーではない。濃いだけの紺とも違う。
見るほどに、たくさんの色が溢れてくるような、単純ではない、静かな情熱の色です。
青い炎が、赤い炎よりも高温であるがごとく、静謐なのに、篤い重厚感がある。
自然素材の掛け合わせなのに、どこかクール。
闇の中にある光を知っている、その期待が色に宿っている。
強さを内包した優しさの色です。
決断したいとき。
決めたことに、まっすぐ向かいたいとき。
大切な人を、大きな優しさで包みたいとき。
ぜひ、まとってみてください。
シックな装いに合わせれば、限りなく洗練られた印象に。
カジュアルなコーディネートに重ねたら、ワンランク上のラフさを演出できます。
さりげないのに、
主役になるショールです。
合わせやすいのに、センスがキラリと目を引きます。
「どこが特別かわからないけど、なにか他の人と違う」そんな印象を与えます。
和暦葉月。
花さく冬へ向かうために、いさぎよい一歩を踏みだしましょう。
2024年9月3日発売
ヘンプ100%ショール 大宵草染め
¥19,800