コラム

アメリカはCBDの次に何を見ているのか

By 2026年2月18日No Comments

— 熱狂のあとに残るもの —

https://www.kcur.org/news/2022-02-23/usda-hemp?utm_source=chatgpt.com

 

2018年、アメリカでひとつの扉が開きました。

Agriculture Improvement Act of 2018
いわゆる「ファームビル」です。

この法律によって、産業用ヘンプは正式に合法化されました。

それまで曖昧な立場に置かれていたヘンプが、
農作物として、経済活動として、
ようやく社会の表舞台に戻ってきた瞬間でした。

そして同時に始まったのが、CBDブーム。

畑は急増し、投資が集まり、
「次のゴールドラッシュだ」とまで言われました。

けれど、熱狂は長く続きません。

価格は暴落し、在庫は積み上がり、
多くの農家が方向転換を迫られます。

ブームは去りました。

でも――
ヘンプは残りました。


■ 熱狂が終わったあと、人は本質を見る

CBD市場が落ち着いたあと、
アメリカのヘンプ産業は静かに再編に入りました。

いま起きているのは、
「何のためにヘンプを育てるのか」という
原点への問い直しです。

その中で、再び注目され始めているのが
繊維用途

理由はとても現実的です。

・サプリや抽出物は価格変動が激しい
・規制リスクが高い
・加工インフラが未整備

一方、繊維は違います。

服や布は、
人が生きる限り必要とされ続ける。

短期的な利益ではなく、
長期的な産業基盤になり得る。

アメリカはいま、
国内で「育てて・紡いで・縫う」
サプライチェーンの再構築を進めています。

海外依存からの脱却。
地域雇用の創出。
そして気候変動への適応。

ヘンプは、その中心に置かれ始めています。


■ アメリカがヘンプに託しているのは「回復力」

https://www.pandabiotech.com/about?utm_source=chatgpt.com

ここで大切なのは、
アメリカがヘンプを“万能素材”として扱っていないことです。

誰も「これですべて解決する」とは言っていません。

代わりに語られているのは、

レジリエンス(回復力)。

干ばつや豪雨が増え、
単一作物に依存する農業がリスクになっている今、
作付けの多様化は生存戦略です。

ヘンプは成長が早く、
比較的幅広い気候条件に対応でき、
輪作にも組み込みやすい。

つまり、
「壊れにくい農業システム」をつくる
パーツのひとつとして見られているのです。

それはとても地味で、
とても現実的な役割。

でも、こういう選ばれ方のほうが、
素材は長く生き残ります。


■ ブームが去ったあとに残るもの

CBDの時代、
ヘンプは「儲かる作物」として語られました。

いまは違います。

「続けられる作物」として
語られ始めています。

ここには、大きな違いがあります。

儲かるかどうかは、市場次第。
でも続けられるかどうかは、
土と人と時間の問題です。

アメリカは今、
その“時間軸”を取り戻そうとしています。

短期的な収益より、
長期的な健全さ。

熱狂のあとに残ったのは、
とても静かな判断でした。


■ 私たちは、どんな素材の未来に加わるのか

https://www.grandviewresearch.com/industry-analysis/us-industrial-hemp-market-report

 

アメリカで育ったヘンプは、
どんな意図で布になっているのでしょうか。

「これは、一時的な流行か」
「それとも、続いていく選択か」

ただ、そこを見極めているように感じます。

アメリカがCBDの次に見ているのは、
派手な成長ではなく、

持続する産業としてのヘンプ。

持続する美しい地球のための、ヘンプという選択です。