第4回|太古からの祈り
神聖な繊維としてのヘンプ
日本において麻は、単なる素材ではありませんでした。
神社のしめ縄やお祓いの道具、大嘗祭の神衣など、古代から神聖な場には必ず麻が用いられてきました。
それは、麻が「祓い清める力」を持つと信じられていたからです。
黄金に輝き、まっすぐに伸びたその繊維は、心身の穢れを祓い、空間を浄化する象徴。
「麻をまとう」という行為には、ただの着衣以上の意味がありました。
それは、身を清め、感性を整え、自分と向き合う準備をすること。
まるで、暮らしの中に祈りを宿すための布のようです。
いまも変わらず、私たちはその静かな力に支えられています。
何気ない日常の中に、ふと感じる安心感や集中力の源に、麻の持つ見えない力があるのだと信じています。