コラム

めぐるもの。

By 2026年8月17日No Comments

ヘンプの服は、着るほどに育つ。
天然素材と長く暮らす心地よさ|自然に、還る。第9話

自然には、「終わり」がありません。

春が過ぎれば夏が来て、

秋が実りを運び、

冬は静かに大地を休ませる。

そしてまた、新しい春が訪れます。

巡ることが、自然の姿です。

私たちの暮らしも、本当は同じなのかもしれません。

朝が来て、

働き、

休み、

眠る。

その繰り返しの中で、心も身体も少しずつ整っていきます。

だから私は、「日常」という時間を大切にしたいと思っています。

特別な一日よりも、

何気ない一日が心地よいこと。

その積み重ねが、暮らしをつくっていくからです。

服も同じです。

一度着て終わりではなく、

洗い、

乾かし、

また袖を通す。

その繰り返しの中で、生地は少しずつやわらかくなり、

持ち主の暮らしになじんでいきます。

ヘンプもまた、そんな素材です。

使い始めが完成ではありません。

日常を重ねるほどに風合いを増し、

時間そのものを織り込んでいく繊維です。

新品の美しさもあります。

けれど私は、

何年も着続けられた一枚に宿る美しさに、心を惹かれます。

自然は、いつも巡っています。

私たちも、その巡りの中で生きています。

だから服も、

「消費するもの」ではなく、

時間をともに過ごすものとして選びたい。

そんな一枚があるだけで、

日常が少しだけ、豊かになるように思うのです。