ヘンプは自然を身近にする。
植物繊維と暮らすという選択|自然に、還る。第2話

「自然に触れたい。」
そう思うことがあります。
山へ行きたい。
海を見たい。
森を歩きたい。
きっと、それは誰の心にもある願いです。
でも、毎日の暮らしの中で、そんな時間をつくるのは簡単ではありません。
仕事があって、家事があって、予定があって。
気づけば季節は移り変わり、窓の外をゆっくり眺めることさえ少なくなってしまいます。
けれど私は、自然は「出かける先」にだけあるものではないと思うのです。
朝、窓を開けて風を感じること。
季節の光に気づくこと。
湯気の向こうに立ちのぼる香りを味わうこと。
そして、植物から生まれたものを、肌にまとうこと。
そんな小さな営みの中にも、自然は静かに息づいています。
私たちは、自然を求めながら暮らしています。
それは特別なことではなく、本来の感覚なのかもしれません。
だからこそ、毎日触れるものは大切です。
服は、一日の中でいちばん長く肌に寄り添うもの。
その服が植物から生まれた繊維だったら。
朝、袖を通すたびに、
自然とのつながりを、ほんの少し思い出せるかもしれません。
たとえば、私たちの身体も、自然そのもの。
心臓は自分の意思とは関係なく鼓動を続け、呼吸は空気とつながり、水が巡り、細胞は絶えず生まれ変わっています。
私たちは自然の外に生きているのではなく、もともと自然の営みの中に生きている存在です。
だから、植物から生まれた繊維を身にまとうことは、自然を「取り入れる」ことではありません。
本来の自分とのつながりを、静かに思い出すことなのかもしれません。
ヘンプは、そんなきっかけを与えてくれる植物です。
自然は、遠くへ探しに行くものではない。
いつも、私たちのすぐそばにあり、そして私たち自身の中にも息づいているのです。