なぜ私はヘンプを着るのか。
自然とともにある暮らしの結論|自然に、還る。最終話

このシリーズを書き始めたとき、
私が伝えたかったのは、
「ヘンプは環境にやさしい植物です。」
ということではありませんでした。
自然を守るために、
何かを意識しましょう。
そんなことでもありません。
私たちは自然から生まれ、
自然の中で生きています。
風を感じること。
光に目を細めること。
季節の匂いに気づくこと。
そんな当たり前の感覚が、
忙しい毎日の中で、少しずつ遠くなってしまった。
だから私は、
もう一度、その感覚を思い出したいと思いました。
山へ行かなくてもいい。
森の中で暮らさなくてもいい。
今日という日常の中で、
自然とのつながりを感じることはできる。
その小さなきっかけのひとつが、
私にとって、ヘンプです。
植物から生まれた繊維を身にまとう。
それは、自然を選ぶことではありません。
本来の自分とのつながりを、静かに思い出すこと。
だから私は、今日もヘンプを着ます。
流行だからではなく。
誰かに勧められたからでもなく。
ただ、この心地よさが好きだから。
自然に還るとは、
昔の暮らしへ戻ることではありません。
自然とともにある、自分自身へ還ること。
そして、その一歩は、
今日、袖を通す一枚から始められる。
そんなふうに私は思っています。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
この12話が、
あなたの日常に、小さな風を運べていたなら、
それ以上にうれしいことはありません。
自然に還ることは、特別な生き方ではありません。
今日を心地よく生きる、その積み重ねなのだと思います。
忠兵衛 金子貴子