ヘンプを着る意味とは?
自然とのつながりを取り戻す暮らし|自然に、還る。第1話

朝起きて、スマートフォンを見る。
仕事をして、画面を見つめる。
夜もまた、小さな光を見ながら一日が終わる。
私たちは、こんなにも多くの情報に囲まれて暮らしています。
とても便利になりました。
遠くの人ともすぐにつながり、欲しいものも、知りたいことも、指先ひとつで手に入ります。
文明は、私たちの暮らしを豊かにしてくれました。
だから私は、文明を否定したいわけではありません。
けれど、その便利さと引き換えに、少しずつ遠ざかってしまったものがあるように思うのです。
風の向き。
土の匂い。
雨上がりの空気。
木漏れ日の揺れ。
季節が肌を通して教えてくれる、小さな変化。
そんな自然の気配を感じる時間は、いつの間にか少なくなりました。
だからでしょうか。
理由はわからないけれど、疲れが抜けない。
心は満たされているはずなのに、どこか落ち着かない。
そんな感覚を抱える人が、少なくないように感じます。
もしかしたら私たちは、自然を失ったのではなく、自然を感じる感覚を少し忘れてしまったのかもしれません。
自然は、遠くの山や森だけにあるものではありません。
毎日、肌に触れるもの。
毎日、呼吸する空気。
毎日、目に映る植物。
暮らしの中にも、自然とつながる入り口は、静かに残されています。
私は、その入り口のひとつが、ヘンプだと思っています。
ヘンプは、環境にやさしい素材だからという理由だけで選ぶものではありません。
自然を守るためだけに着るものでもありません。
植物の繊維に袖を通すたびに、
自分もまた、自然の一部だったことを思い出す。
その小さな感覚が、慌ただしい毎日に、静かな余白をつくってくれる。
だから私は、今日もヘンプを着ます。
自然に還るために。
どこかへ行くのではなく、
自分の感覚に、還るために。