第2回|大地に根ざす
自然と共に生きるヘンプ

ヘンプは、特別な手間をかけずとも、すくすくと育ちます。
痩せた土地でも根を張り、一般的なコットン栽培に比べて、農薬や化学肥料が格段に少ない。
つまりそれは、人のためだけでなく、地球のために育つ植物ということ。
私たちが自然を痛めずに衣を得る道を、静かに教えてくれます。
麻の根は深くまで伸びて、大地を耕します。
その働きによって、次の作物が育ちやすくなるという循環の仕組み。
自然に負担をかけず、むしろ土をよみがえらせる ― そんな存在が、どれほど貴重なものか。
ただ育つだけで環境に貢献する植物が、いったいどれほどあるでしょうか。
服の原料である前に、ヘンプは「地球の味方」であり「未来の守り手」。
一着の服をまとうたび、大地とつながるような安心感があるのは、そのせいかもしれません。
今日もこの布を通じて、わたしたちは自然と共に生きています。