暮らしに、祈りを。
私たちはふだん、「祈り」と聞くと、どこか特別なもののように感じます。
神社で手を合わせるとき、誰かの幸せを願うとき。
でも本来、祈りはもっと身近なものでした。
静かな朝に深呼吸をすることも、
大切な人を思い浮かべることも、
「今日も生きている」ことに、心の中で感謝することも。
すべてが、祈りのかたちです。
そして、その「祈りの感覚」を思い出させてくれるのが、麻という素材です。
麻をまとうと、心が静かになる
麻は、風を通し、空気をまとうような軽さを持った天然素材。
その素肌にやさしく触れる感覚は、どこか懐かしくて、呼吸が深くなる。
そんな時間のなかで、私たちはふと、自分自身の内側と向き合うことができます。
忙しい毎日の中で、置き去りにしていた小さな感情や、
見ないふりをしていた心の声に、そっと耳を傾ける。
麻をまとうという行為は、そんな「自分に戻るための祈り」のようでもあります。
昔の人は知っていた、麻の力
日本では古くから、麻は「清め」の力があるとされ、神事に使われてきました。
神社の鈴の緒、しめ縄、祭事の衣。
それらはすべて、祈りの場を整えるために使われた麻でした。
心を静かにし、自然とひとつになる。
そうして、人は神様とつながり、自分ともつながることができたのです。
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「着る」ことが、祈りになる
私たちが麻の服を選ぶとき、
それは単なるファッションではなく、
自分と対話し、自然と調和し、世界に感謝する――
そんな静かな祈りの選択なのかもしれません。
今日、麻をまとうということ。
それは、外へ向かってばかりいた意識を、もう一度内へと戻すこと。
静かに、丁寧に、自分を感じること。
祈りは、日々のなかにある。
麻の服が、その小さな祈りを思い出させてくれるのです。