第4話 服は、眠っているあいだに育つ。

新しい服に袖を通したとき。
「もう少し柔らかかったら。」
そう感じたことはありませんか。
私たちは、服は買ったときが完成形だと思いがちです。
新品がいちばん美しく、そこから少しずつ古くなっていく。
そんなイメージがあるかもしれません。
でも、ヘンプ100%の服は少し違います。
最初は、少しだけ張りがあります。
生地にはほどよい力があり、身体との間にも少し距離があります。
けれど、洗って、着て、また洗って。
その時間を繰り返すうちに、繊維は少しずつほぐれ、肌になじみ、その人だけの着心地へと育っていきます。
それは、「劣化」ではありません。
時間がつくる風合いです。
だから忠兵衛では、「育てる服」という言葉を大切にしています。
毎晩袖を通し、洗濯を重ねるたびに、少しずつ自分の身体を覚えていく。
気づけば、一番手に取るパジャマになっている。
そんな経験をされたお客様も少なくありません。
すぐに答えが出るものではないからこそ、長く付き合いたくなる。
それが、ヘンプ100%という素材の魅力です。
便利さや効率が求められる時代だからこそ、ゆっくり育つものには、不思議な安心感があります。
眠るたびに身体になじみ、眠るたびに愛着が深まる。
そんな時間を、私たちは何より大切にしたいと思っています。
眠るたびに、暮らしは少しずつ整っていく。