第7話 価格ではなく、時間の話。

「パジャマに、この値段ですか。」
店頭でも、ときどきいただく言葉です。
そのお気持ちは、とてもよく分かります。
パジャマは、外へ着ていく服ではありません。
誰かに見せるためのものでもありません。
だからこそ、多くの人は価格よりも手軽さを選びます。
それは、ごく自然なことだと思います。
でも、私たちは少し違う考えを持っています。
パジャマは、一日の中で最も長く身体に寄り添う服です。
毎晩袖を通し、眠りの時間をともに過ごす。
一年で考えれば、どの服よりも長い時間を一緒に過ごしているかもしれません。
だから私たちは、「何円の服か」ではなく、「何年着られる服か」を大切にしています。
ヘンプ100%は、とても丈夫な繊維です。
洗うたびに少しずつやわらかくなり、身体になじみ、風合いが育っていきます。
新しさを保つための服ではなく、時間を重ねるほど愛着が増していく服。
そんな素材だからこそ、長く暮らしに寄り添うことができます。
安いか、高いか。
その答えは、人それぞれです。
けれど、一枚の服と過ごす時間まで考えてみると、見えてくる景色は少し変わるかもしれません。
私たちは、価格を納得していただくために服をつくっているのではありません。
「この一枚に出会えてよかった。」
何年か先に、そう思っていただける服をつくりたい。
その想いを大切に、今日もヘンプ100%のパジャマを仕立てています。
眠るたびに、暮らしは少しずつ整っていく。